それが欲しいのだけれどそれが何処にあるのかが分からなくて
それを探そうとしても僕には果てしない空の中の星を探すようなもので
此処に立っているだけでも世界は回ってゆく
朝、瞳が開いてもそれは変わることなく
少しずつ片隅に追いやられながら砂のように消えていった
こうしているあいだにも季節は巡り太陽は沈み月は絶えず形を変えてゆく
こうしているあいだにも過去は過去のまま遠くなるばかりで美しかった甘美の花も絶え崩れていった
セピア色の写真は燃やされ幸せだった世界は音も無く消え酸化音が残るだけ
僕には術もなくそこに立っている事しか出来ません
嗚呼僕が欲したものはただ一つの愛と涙だったのです。過去も未来も無いただ一つの気持ちでした
たった一つの愛が欲しいのです
一つで良いのです